2012年6月アーカイブ

弁護士の仕事を続けてきて、この世の中で一番大切な物は何かと問われて、躊躇なく答えることができる答えがあります。それは、「真実」です。依頼者はいつも岐路に立たされ、悩み続けます。その時、何を基準にして決断するのか。真実は何かです。人は裏切っても真実は人を裏切らない。うそでは、人はがんばれない。人にやる気を起こさせ、困難に耐えさせるのは、真実です。ですから私は「嘘も方便」ということわざが大嫌いです。このくらい、人を誤らせるものはない。むしろ、「嘘は泥棒の始まり」というのは、きわめて正しい格言です。小さな嘘を一つつくと、もっと大きな嘘をつかなくければならなくなります。そして、本当のことを言えば、すべての信用を失うので、嘘をつき通さざるを得なくなります。小さなうそなら許されると勘違いしている人もいます。むしろ逆です。小さな嘘だからこそ、本当のことを言えなくなる。「なんでそんなつまらいことで嘘をつくのか」と思われ、まったく信用を失うのです。些細な小さなことで嘘をつく人間は、どんな大きな嘘をついているのか分からないと思われてしまうのです。真実を素直に受け入れ、開き直って真実で勝負することが、裁判でも、人生でも大切であると思っている次第です。
2011年12月から甲斐の杜法律事務所で勤務している山際誠弁護士は、労力を惜しまず、積極的に事件に取り組んでくれています。初めての私選の難しい刑事事件で保釈を勝ち取り、先日は初めての国選被疑者事件で勾留決定に対する準抗告を申し立て、勾留を取消させて釈放を勝ち取りました。準抗告で勾留を取消させて釈放を勝ち取ることはめったにないことで、これを初めての申し立てで勝ち取ったことは評価に値します。山際誠弁護士の今後の活躍を甲斐の杜法律事務所としても期待しています。
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