弁護士になって最初に最初に依頼者に自信を持って言える知識は「保証人にだけは絶対にならないように」という言葉ではないでしょうか。おそらくすべての弁護士はそうアドバイスすると思います。連帯保証制度くらい悪い制度はない。増加している自殺の原因としても大きなものがあります。親族や身内が犠牲になり、自分の借金ならまだしも他人の借金でなんの利益もないまま一切の財産を失い、一生、自分を責め、身内を責めることになります。保険や物的担保の発達した現代、江戸時代の連帯責任をほうふつとさせるような連帯保証制度はなくなるべきだと思っています。今、民法改正の動きがありますが、日本弁護士連合会は保証制度改善の提言として今年9月15日に、主債務者が消費者である場合における個人保証の禁止及び主債務者が事業者である場合における経営者以外の第三者の保証の無効の提言を行っています。保証人は頼まれても、なってはいけません。個人に保証を依頼する時点ですでに主債務者に返済能力はないと思ってください。
2011年11月アーカイブ
家庭内での紛争は世間体もあり、どうしても当初、家庭内で解決しようとするものですが、身内同士で解決しようとしても、身内同士では感情が入り込むので紛争を激化させることがほとんどです。親戚の有力者を入れて解決しようとしても、今度は親戚も巻き込んだ大掛かりの紛争に発展してしまいます。私のこれまでの経験からすると、家庭内での紛争は早めに弁護士に入ってもらったり、家庭裁判所の調停を申し立てた方が賢明で、紛争を早期に円満に解決することができます。いい例が夫婦間の争いです。夫婦の間でいくら激しい喧嘩をしても、仲直りすることは比較的容易です。しかし、この争いに双方の親が介入してくるともうその時点で、やり直すことは不可能になります。それどこか話し合いの解決も困難になります。紛争がエスカレートする前にできるだけ早く弁護士にご相談ください。
1994年1月から2002年末まで私は小笠原忠彦法律事務所という名前で事務所を経営していました。2002年の9月11日の夜に長倉智弘弁護士と話をして、一緒に事務所を開設しようということになりました。話がまとまってテレビのニュースを目にしたときニューヨークの巨大なビルに旅客機が突っ込んでいく映像が映りました。大変な事故が起きたと思いました。ともあれ、事務所を始めることになり、名前をどうするかということになりました。長倉弁護士は環境問題に関心があり、私も環境は大切だと考えていたので、環境や自然をイメージした名称にしようと思いました。それで「みどり」とか森とか考えたのですが、杜の字をつけることにしました。山梨県は旧国名を甲斐の国といいます。それで甲斐の杜がいいのではないかということになりました。杜は語感として守るに通じるものがあり、権利や自由を守るに通じるものがあるような気もしました。それで甲斐の杜法律事務所としたのですが、なかなか気に入っています。
甲斐の杜法律事務所の弁護士は私と長倉智弘弁護士です。長倉智弘弁護士は甲府市の出身で、私と同じく一橋大学法学部の出身です。私は刑事法の村井敏邦ゼミで長倉弁護士は民事訴訟法の竹下ゼミの出身です。長倉弁護士の得意分野は行政訴訟や環境訴訟です。山梨学院大学法科大学院や山梨大学で環境法の講義も持っています。甲斐の杜法律事務所発足のときから、長倉弁護士と一緒です。長倉弁護士と一緒に事務所を立ち上げたのは、大学が同じということもありますが、私が苦労していた北杜市長坂町の産業廃棄物処分場の事件を一緒に闘ってくれたこと、東京から長倉先生が戻ってから、自由法曹団の活動にさんかしてくれたことからです。今年の12月から新人の山際誠弁護士が新しいスタッフとして甲斐の杜法律事務に加わってくれることになりました。よろしくお願いします。
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