2014年10月アーカイブ

北海道函館市で10月2日から3日に行われた日弁連人権擁護大会に参加しました。私の事務所では、小笠原、長倉、山際の弁護士全員が参加しました。シンポジュームは、第一分科会と第二分科会があり、第一分科会は、原発問題、第二分科会は障害者問題であり、長倉弁護士と山際弁護士が第一分科会に参加し、私は、第二分科会に参加しました。第二分科会では、「障害者権利条約の完全実施を求めて」と題して、750名程の参加者が集まりました。そこでの感想です。750名程の参加者の内、350位が障害者や介助者、障害者運動をされている方で、残りが弁護士でした。さすがは日弁連です。障害者問題を解決するのに、その議論の中に障害者を加えなければなんの解決にもならないと思いました。それから、障害者の権利が尊重されるように配慮を求めることは、障害者の権利だと思いますが、障害者の人権を尊重するように配慮することは障害者の周囲の人々の権利でもあるということです。残念ながら障害はあるよりないに越したことはない。そういう意味では、障害を持っていることは、不幸なことといえます。そして、我々の近くに障害を持っている人が存在していることは、事実である以上、障害を持っている人が、障害を持っていることを不幸であると感じない世の中が、その周囲にいる人々にとっても幸せなことだからです。隣に障害を持っている人がいる時、自分は障害をもっていないことから、幸せでよかったと思でしょうか。そうではないと思います。障害者権利条約を完全実施を求める運動には、障害者の権利に配慮することが、障害を持たない人の権利でもあるという観点が大事だと思いました。そしてもう一つ、障害者が生きやすい社会は、障害を持たない人にはもっと生きやすい社会であって、障害者への差別を無くすことは、障害を持たない人々の生活と権利を守ることになるのだということです。東日本大震災の時の障害者の死亡率は健常者の2倍もあったということです。この格差を無くさなくてはいけないが、格差がなくなれば良いのではなく、障害者もそうでない人も災害の被害を受けない国にしないといけないということです。障害者が災害を受けない社会は、障害を持たない人にとって、もっと安全な社会であり、障害者の権利を守ることが、障害を持たない人の権利を守ることになるのです。

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